漫画が濡れたら、まず乾いた場所へ移し、こすらずに水分を取ります。数ページの水濡れなら吸水紙と冷風で乾かし、本全体が濡れて48時間以内に処置できない場合は、一冊ずつポリ袋に入れて冷凍を検討します。
冷凍は乾かす方法ではなく、カビが生えるまでの時間をかせぐ応急処置です。水濡れの範囲と紙の種類に合わせて、最初の行動を選びます。
| 漫画の状態 | 最初にすること |
|---|---|
| 数ページや端だけが濡れた | 水分を押さえて取り、吸水紙と冷風で乾かす |
| 本全体が濡れ、48時間以内に乾燥できない | 一冊ずつ清潔なポリ袋に入れて冷凍する |
| カラー・光沢ページが濡れた | 貼り付く前にページを確認し、早めに処置する |
| 泥水・海水・汚水、またはカビがある | ほかの本から隔離し、専門家への相談を優先する |
軽い水濡れを乾かす手順
- 乾いた場所へ移す:濡れていない本から離し、平らな作業場所を確保します。
- 表面の水分を取る:清潔なタオルや無色の吸水紙を当て、押さえるように水分を取ります。印刷面はこすりません。
- 吸水紙を挟む:無色のペーパータオルやコピー用紙を、濡れたページのところどころへ挟みます。背が大きく開くほど詰め込まないようにします。
- 風を通す:本を立ててページを扇状に開き、扇風機などの冷風を当てます。
- 吸水紙を交換する:紙が水分を吸ったら新しいものへ取り換え、湿り気が減るまで繰り返します。
- 半乾きで形を整える:吸水紙を抜き、横置きにして平らな板で挟み、重しを載せて乾燥させます。
乾燥中は定期的に本を開き、ページの貼り付きと内部の湿り気を見ます。湿ったまま本棚へ戻さないことが、カビと周囲の本への影響を抑えるポイントです。
ジッパー袋に入れて冷凍してよい?
本全体が濡れ、48時間以内に乾燥作業を始められない場合は、清潔なポリ袋やジッパー付き保存袋に一冊ずつ入れて冷凍します。濡れた本をそのまま置くより、カビの進行を遅らせながら処置まで待つための方法です。
乾燥作業ができる分だけ冷凍庫から取り出し、袋に入れたまま解凍してから、吸水紙と冷風による乾燥へ進みます。軽い水濡れの本は袋へ密閉せず、そのまま乾燥を始めます。
初版やサイン本、特殊な製本など代替しにくい本は、冷凍前の段階で保存修復の専門家へ相談する選択肢もあります。
光沢紙・カラーページが濡れた場合
表面が滑らかな塗工紙は、濡れたまま乾くとページ同士が貼り付きやすい紙です。漫画のカラーページや光沢のあるカバーにも使われています。
貼り付いたページを乾いた状態で引き離すと、印刷面が剥がれるおそれがあります。ページが動かないときは力を加えず、専門家へ相談します。
濡れた漫画に使わない方がよい乾かし方
- ドライヤーの熱風を近距離から当てる
- 電子レンジ、オーブン、アイロンで加熱する
- 直射日光に長時間当てる
- 濡れた印刷面をタオルで強くこする
- 貼り付いたページを無理に剥がす
強い熱は紙や接着部分を変形させ、急激な乾燥は波打ちを大きくすることがあります。熱を加えず、吸水と風で少しずつ乾かします。
カビや汚水がある漫画の扱い方
カビが見える本はほかの蔵書から隔離し、触れるときはマスクや手袋を使います。冷凍や乾燥をしても、発生したカビが完全になくなるわけではありません。
泥水、海水、汚水に浸かった本は衛生面の問題もあります。初版や絶版本を自分で処置すると状態をさらに悪化させることがあるため、代替できない本は保存修復の専門家へ相談します。
濡れた範囲に合わせて乾燥か冷凍を選ぶ
数ページの水濡れは吸水紙と冷風で乾かします。本全体が濡れてすぐに処置できない場合はポリ袋に入れて冷凍し、乾燥作業を始められるまでの時間をかせぎます。光沢紙の貼り付き、カビ、汚水がある場合は無理に作業を続けません。

